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7日目::イルクーツクぶらつき

 朝10時半くらい起床。列車内のだらだらした生活態度を引きずった体になっている。起きたくない。ずっと寝ていたい。朝食の時間すぎちゃったし。いかんいかん景色を見に行かなければ。さささっと着替えて下のフロントへ。おねいさんに「その辺を歩いてくるので。」とキーを渡す。お。にこっとしてる。自然に通じたようだ。今のは自然だった。少しは喋れる外国人くらいに思ってくれただろうか。そういうことにしておこう。何となくロシア語成功率が上がってきたあたりがうれしい。  ホテルを出ると正面はすぐアンガラ川となっていて、公園散歩道風の空間となっている。散歩しているとパトカーが一台ねずみ取りをしていた。アンドリューも働いているんだろうなーとか思う。ところで彼らは別にスピード違反を捕まえるわけではないらしい。お得意は整備不良車だ。早速リヤガラスのない車がつかまる。ロシア人の車は私の見たところ半分以上は整備不良だ。1気筒死んでるとかファンベルトきゅーきゅー等々いくらでもいる。ところでイルクーツクまで来ると日本車は少なく、2割くらいだろうか。
 
 さて市の中心部へ向かうべく歩き始めるが、イルクーツクのこの時期は寒い。特に頭が寒い。日は照っているが、氷点下は間違いない。ロシアのあのふかふかの帽子がほしい。ホテルカードの市内地図は省略されすぎてて役に立たないことが5分でわかり、やせ我慢して人気のある方へ向かう。イルクーツクの道行く人々はみなうつむき加減で一見陰気そうに歩いているが、理由は行けばすぐわかる。ウラジオストックほどではないが、道が粉塵その他で汚い、方々に水&泥たまり、そして大量の巨大な犬のうんこがその原因だ。普通に前を向いて歩くと多分何か踏むだろう。アンガラホテル前の何とか公園で立ち食いピロシキをする。4P。さてどうするか。噴水(跡?)のへりでいちゃつくカップルに混ざって座り、控えめに地球の歩き方を見る。運悪く週末の2日間なので美術館や博物館はやってないようだ。特に用もないが中央市場へと向かうことにする。
イルクーツクの何とない風景
シベリアのパリと言うが
そんな気もしてこないでもない。程度。
   
 途中レーニン広場脇の本屋に立ち寄る。見たところロシア作品のペーパーバックの比率が高いようで、どれも50-100円くらいだ。他にはコンピュータ関連の物も目立った。話の種に地学関係の本でも探そうか。結論。ない。ПетрографияはもちろんなければГеорогияすらない。日本と同じような扱いをされてるかと思ってちゃんとなるべく隅っこを探してもない。しょうがないので壁に貼ってあるバイカル周辺のでっかい20万分の1地形図を買った。買い方は予備知識があったので助かった。カッサで先に精算してレシートをもらって売場で「これくれ」と言えばよいのだ。「あのでっかい緑色の地図をくれ」。外国人だから売ってくれないかと心配したが何の問題もなく大丈夫だった。しばし立ち読み(怒られない。でも99%読めないが)した後外に出て、店の前で並べて売ってる絵をうなるふりをして眺め、人が寄ってきて何か言われて「いらない」と言って立ち去る、ということをやった後、レーニン広場で一服して向かいのもう一件の本屋に立ち寄ったがさらに品数が少なかったので一路自由市場へと向かう。
レーニン。   の後ろ姿。
 
 意図的に裏通りを通った。道はさらに汚くなり、荒れ果てた木造建築が多い。ただそれらの木造家屋も随所にロシア風の彫刻が施され、味がある。中国か日本の古ーい寺のような雰囲気がある。地盤沈下でこのあたりの建物は傾いているのだが、それを修正するように窓が枠ごと水平に取り付け直されていたりする。治安は基本的に悪そうだが別に取り立ててさらに悪いようなことはなかった。ただ、恐らくは普通の気分なんだろうけれども、ものすごい目つきをした朝鮮系の人達が多く、それが怖かった。ロシアでは、道ばたでタバコを一本おごると友達になれるの法則があるようで、後で自由市場の近くでとある辛抱強い人から辞書を使って一生懸命聞いた話だが、北朝鮮からの密入国の人達がひどい賃金で建設関係で働かされているんだそうだ。
イルクーツクのあまりよくない地区
見にくいがトゥアリェートって書いてある。
行きたくない。
   
 中央市場まわりはずいぶん人が居た。露店も多くにぎわっている。いわゆる自由市場の建物にはいると、まず入り口に酒臭い働けよって感じのルンペン屋さんがたむろっていて、それを通過するとあふれんばかりの食料品が売られている。今日は食べ物を買ってもしょうがないので、かっこよさそうなビニール手提げ袋だけを3Pで買った。なぜかというとそれはレコード屋さんでLPなんか入れてくれるタイプの袋なのだが、どうも見たところ常にロシア人はそれを日常使って持ち歩いているからだ。要するにまねがしたかった。外の露店はウラジオストックと似ているが、通りの幅が広く明るい雰囲気だ。ただし雪解けの水たまりで歩ける場所はかなり限られている。すごいうまいアイスクリーム(3P)やケーキ(4P)を食べながらほっつき歩く。自由市場となりの百貨店始め近辺の商店は休みが多く、明日また来ることにして去る。
 
 ホテルに歩くが道に迷った。ロシア語の地図を持っていなかったのでバス停のそばに殆ど必ずあるキオスクでコーラを買い(RCコーラ。)、道を聞くと親切に教えてくれた。私は生まれてから一回も目を閉じたことがありません、と言った感じの怖そうなおねいさんだったが笑うととてもきれいだ。イルクーツクはいい人が多いと言う勝手な結論。
 
 午後4時頃ホテルにたどり着く。二階のスタンドでコーヒーを飲んだ後、同じ階にある元外貨ショップへ行く。価格は外よりは高そうだったが比較的色々とそろっている。ジェーダイトだと保証してくれたヒスイの箸(食べるとき使う箸。190P。やっすーー)と絵はがき20Pを購入。部屋に戻って餞別をくれた人にメッセージを書き、ポストオフィスに行って切手を買って出す。日本まで旧2500k切手2枚だったが6Pとられた。そもそも日本にちゃんと着くんだろうか。答え。3週間かかりました。エアメールで。多分一生懸命翻訳されて役人に読まれました。
 
 さてホテルには日本料理店があるらしい。夕食は久しぶりに高いだろうけど、そこに行くかと思いきやもちろん営業してなかった。と言うわけで中華レストランに行く。とても本格的に近い、いいムード。注文可能なメニューは半分くらいだったが英語で書かれている方を適当に注文してみた。感想。まあ、ロシアではこんな物か。ちなみにロシアで醤油というのは色つき化学調味汁を指し、炒飯がピラフだ。でも、おいしかった。でもステンレス製ロシア的装飾付き箸はつかみづらくて重かった。じっくり食べたのでもう夜10時だ。飲みに行こうかと思ったがBapは閉まっている。シャワーを浴びてねる。
 

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