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第13日目::それでもやっぱりロシアはいい。

 朝は8時頃起床。ホテルの朝食が8時半までなので焦りつつ着替えてロビーからレストランへ。朝食クーポンをその辺のおねえさんに渡すと「どうぞどこでも」ってなかんじでバイキング形式でありつける。イルクーツクなんかに比べると置いてある物も西側風になっており、また種類が非常に多い。味付けも塩味ばかりでなくて何らかの工夫がなされていてよろしい。5-6割方埋まった周りの客も西側人が多く、ドイツ人やどこかの英語人などが「俺たちは進んだ国だぞ」とばかりの雰囲気を漂わせつつ(コンプレックス)非常に上品にマナーよろしく食べている。そんな中で私と隣のテーブルの中国人3人グループは言ってみればシベリア風に、時々ちらっと見られながら皿に一回で山盛りに盛りつけるだけ盛りつけてナプキンもしないでフォーク1本でむしゃむしゃ食べているこの快感。 
 
 朝食を済ませて部屋で着替え、ホテルを出る。イズマイロフ公園気付の無職の人たちにたばこくれとか何とかさんざん言われる中を無視して地下鉄駅へ。こなれた風を装って、まあ危険回避のためにもそういう気分を味わいつつ車内でしばし揺られる。対面ドア部。とりあえず革命広場駅で降りよう。とか考えていたところに前の方の車両から親子が移ってきてお祈りし始める。ロシア人がこの手の人たちにお金を上げるといった現場風景はこれまで全く見たことがなかったが、この親子には割と多くの人が小銭をあげていた。やはりロシア正教が絡むと弱いらしい。私はほんっとに腐るほど小銭が余っていたが申し訳ないけどあげなかった。
 
 また革命広場駅を乗り越してアルバーツカヤまで乗ってしまった。5個目の駅で降りればいいのに何だか楽しくて5まで数えられない。昨日と同じ道で再びクレムリン方面へ向かう。
地下鉄の切符。
他にも2回券等いろいろ
あって一年券が1600P。

アルバーツカヤの図書館。
会員制らしい。
     
 ふとクレムリンをぐるっと一周してみようと思い、アレクサンドロフスキー公園から左回りで歩き始める。で、赤の広場から午前中通行止めのレーニン廟前はグムの中を迂回してマネージ広場へ。さらにクレムリンへ入ろうと思ってトロイツカヤ塔の方へ。途中の無名戦士の墓では衛兵が例によってかっこよく交代で火の番をしているが、見てると強風にあおられて時々よろめいたりして人間くさい。クレムリンの入場券売場では多くの観光客が並んでいて、どうしようか迷ったが、外人は300p位するのと日本語使いの親父にうるさくつきまとわれたのにとどめを刺され、やめた。
 さらに進むと建て増し式城壁の内部が見える古ーい出入り口とオベリスクが一本。ここでクレムリンの城壁を3個サンプリング。多分日本に10個とあるまい。クレムリン城壁は古い内部は浅海成か何かの赤茶けた砂岩が積んであり、その外側が巻き貝が入った質の悪い赤煉瓦、さらに凸凹を薄い煉瓦プレートで埋めている事が判明した。

マネージ広場。
ここが実質町の中心らしい。

無名戦士の墓。
衛兵はイルクーツクと違って
ライフル装備。
     
 次は革命広場の方へと向かい、ボリショイ劇場周りの本屋街で買い物でもしようと3件はしご。本の数が少なくていまいち。そのうち昼休みだからと追い出された。ロシアの商店の多くは土日しっかり休み、昼は2-3時間の昼休みというのが習慣のようだ。私は露店で売っていたホットドッグと7upで済ませ、さらにあちこち見て回った感想。百貨店系はどこも西側の毒に犯された感じでつまらない。ガイドブックに書いてあるミネラルショップは超高級宝石店(価格は日本並)か又は倒産してて存在しない。露店の鉱物は水晶ばかりでブラジル産。KGB建物はああそうか、と言った感じ。当てにしていた工業技術博物館はやっているはずなのに臨時休業。。。もういいや。。。。
 結局パソコンショップでロシア語版キーボード(約$10うひょひょ)、グムで鍋つかみとタロット、どっかその辺でソ連のあったか帽子等をゲットした。持ってきた荷物はコンパクトにしすぎていてそうは買えない。午後は美術館にでも行こう。

マルクス。

が眺めるボリショイ劇場
     
 近場でプーシキン美術館へと向かった。カッサで40Pのところ外人料金120P(学生だと言い張ることができれば60P)を支払うと、地下で荷物とコートを預けるように言われる。身軽になって徘徊する。すごい有名彫刻の量。多くは偽物だそうだが中には本物があって、ここにあったのか的な作品もある。他に古代ヨーロッパ文明の遺物なども充実している。感激するのは絵画で、とにかくすごい。ゴーギャンやらピカソやらモネやらブランド物を始めとして見たことあり作品が全部本物で、しかもガラスケースに収まっていない。日本の小学生の絵画展状態で壁に貼ってあるだけで、直に3cmまで近づいて臭いまで嗅げる。なんなら舐めれる。ピカソの一回間違ったところの盛り上がりや書き順まで見る事ができるし、舐められるのだ。
 プーシキン美術館は印象派の絵画で有名らしいが、私はそっちの方が理解できていないので本体よりもラベルばっかり見ていたが、その他近代絵画の方はじっくり見て回った。しつこく20分くらい張り付いて眺めると学芸員(?)の人が「おまえはハラショーだ」とかなんとかほめてくれて話しかけてきたりしたがなんだか判らずごまかしてまた次の絵へ。と言うわけでいつの間にかもう6時半すぎだった。残念。それにしてもそうだ。こういう芸術がロシアで良い所なんだ。そして混迷。んーロシア。もっと時間があれば良かったな。
 
 地下の荷物預かりでコートとパソコンのキーボードやら帽子やら入った訳の分からない袋を変な顔をされながら返され、外にでる。まだ明るい。歩きに歩いて少し腰に来たがキリスト聖堂の方へ足を延ばしてみた。裏手はちょっとした公園風で、新婚さんが写真を撮っていたりする。写真と言えばモスクワのこの辺りでは英語人にシャッターを押してくれと言われる機会が多い。するとごーんがーんと鐘が鳴り始める。鐘楼では小さくちゃんと人間が鐘を鳴らしているのが見える。ぐるっと回って表へと回る。有料仮設トイレが途中にあって代金3Pの事で言い争っていたりする。
 正面に回るとなにやら人だかりができていて騒がしい。何だろう。エリツィンでも死んだか。外国のTV局も来ている。これはもうエリツィン臭いぞ。やった。時代の、何かそういう場に居合わせた。何の気なしにカメラの集中する正面入り口の道路を横断。まさに教会の中から本っっっ当に偉そうな教皇級のすごい人とその行列がでているところだった。変な日本人がそれを邪魔した。その空気と数百の視線が強烈に明らかだった。あっ俺今撮られた。映った。さては全世界規模で恥をさらしたか。うあああ。
 実際はエリツィンは死んでもおらず何らかのイベントだったらしいのだが、参った。

救世主キリスト聖堂。
   
 夕食をどうしようか考えた結果、何か疲れたし精神的にКафеやなんかでロシア味と視線に耐える自信が無く、本当は絶対行くまいと思っていたドヴェルスカヤ通りのマクドナルドに思わず流入。店内はさすが若者が多くしかもかなり込み合っている。さて、カウンターへの列に並ぶ。大問題。並んでから後悔。メニューが読めません。しまった。リアルタイムロシア語注文が要求される場だ。読めてもなにを意味するか全く判らないほどに名称が改変されている。店内でお召し上がりってロシア語でなんて言うんだろう。ポテト・・ああ・・必死にメニューをスキャンする。注文俺の番。あうう。あっあれだ!あれなら読めるし分かる!!「БИГ МАК二つと熱いコーヒーの大。。。。。」もはやビックマックは世界共通語のようだ。一個だけ読めた。ああ助かった。ああビックマックがでてきた。席を探して一段落。味は日本と一緒。うまい。ほんとにうまい。ちなみにビックマック一個の値段は33.5P(120円位)だった。そして本当にでかいホットコーヒーが16P。
 という私なりに充実したモスクワの一日だった。後はホテルに疲れて帰り、風呂を浴びて沈没。
 

 

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